なぜカルティエは古くならない? イノベーションを生む「ジェンダー平等」

フランスの老舗ラグジュアリーメゾンとして知られるカルティエ。なぜカルティエは、伝統を意識しながらも異なる文化や芸術を取り込み、進化し続けられているのでしょうか。その秘密は、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)に出展するパビリオンからも見て取れます。リシュモンジャパン(東京・千代田)のカルティエ プレジデント&CEO 宮地純氏に聞きました。

 カルティエのジュエリーや時計に憧れを持つ人は多いでしょう。その洗練されたデザインは、長い時を経てもあせることのない魅力を持っています。

 例えば、今でも人気の腕時計コピー「サントス ドゥ カルティエ」が生まれたのは、1904年。基本的なデザインを受け継ぎながら、時代に合わせた新しい解釈のデザインを発表し続けていることも、多くの人が魅了される要因の一つです。

https://www.supakopitokei.com/cartierwatch_copy131.html

 180年近くの歴史を持つハイメゾン(ブランド)が歴史を受け継ぎながらも古くならない理由は、創業時から多様性、特に女性の力を尊重してきたからこそ生まれるイノベーションにあります。

 カルティエのそうした姿勢を表す一例が、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で内閣府、経済産業省、博覧会協会とともにカルティエが出展する「ウーマンズ パビリオン」です。世界における女性活躍や課題を紹介し、未来の社会のあり方について国内外に発信することを目的としています。

「このパビリオンは、企業のPRを目的としたものではありません。女性をエンパワーメントし、ジェンダー平等を実現するため、政府と共同で出展することの意義が大きいです。万博を通じて、より多くのステークホルダーを巻き込み、取り組んでいきたいと考えています」(宮地氏:以下同)

 残念ながら、現在の日本社会においても、ジェンダー平等は大きな課題として存在しています。ある調査では、日本の女性の幸福度は世界的に見ても低い傾向にあります。その一方で、日本の男性の幸福度はそれよりもさらに低いという結果が出たそうです。

 日本社会では、男性が主として働き、家族を養うモデルが浸透していました。そのため、旧来の働き方のレールから外れることへの恐れが強くあるように感じます。こうした意識が、男性の幸福度の低さに表れている部分もあるのではないでしょうか。